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白崎枕コレクション1,000余点に古書・博物館などの枕を加えて写真紹介
【 草 枕 】
草は身近にあって、これを束ねたり、編んだり、巻いたりして枕とすることは容易であり、柔らかく頭頚部の当りもよく、大きさも自由に作られるので、材料となる草の種類に移り変りはあるが、古代から現在も作られている。
材料の性質上現存する古代のものは見当らない。
万葉集の4,500首ほどの中にも手枕、石枕、黄楊(つげ)枕、苔枕、こも枕などがあり、草枕の数が多いので、この時代でも草枕が多く使われていたと思われる。
ガマ草の葉で作られた枕が北海道内の博物館などで多く見られるが適度に柔らかく、吸排湿性もよいので合理的である。
丸形(ガマ草の側に草を詰めたものやガマ草のゴザを巻いた丸枕)、平形(ガマ草莚側に詰め物をした平枕)や編んで枕掛としたものなどある。
ガマ(ガマ科)
(形態)
沼、池などの水辺や湿原に自生、草丈1~2m、茎は円筒形で太く頂上に短くて細い雄花、その下の方に黄褐色のローソク状の太い雌花がつく。
葉は広線形で帯白の線色、表面は滑らかで葉肉は厚く、幅は1~3cm、長さ100~150cmほど、日本にはコガマ、ヒメガマ等の仲間があるが同じような場所に自生している。
その他イネ(イネ科)、カヤ(チガヤ、スゲ、ススキ)、ヨシ(アシ、イネ科)、ササ(イネ科)など使われた。
【 イグサ枕 】
イグサの茎(葉鞘)を編んだござを枕側とし、これにイグサや他のものを辞め物とした枕で、歴史が長いだけに、丸形、半丸形、かまぼこ形、角形、平形、波形、飾りのついたもの、色、紋様を編込んだものなど種類も多い。
イグサの芯(髄)を詰め物とした生薬枕(内蒙古)などもある。
イグサ(藺草、灯心草)(イグサ科)
(形態)
多年草で山野、湿地に自生、緑色で中実、茎の太さ1~2ミリ、細長い円筒形、節はなく滑らかで光沢がある。
改良種の草丈は9Ocm~120cmほどになる。普通の形をした葉はなく全部が葉心のない葉鞘となっている。
夏には茎の上部に緑黄色の小花をつける。
(分布)
世界の主に温帯、寒帯に分布、種類が多い。
日本各地に自生、改良種は畳表などの材料として水田や湿地帯で栽培されている。
(採取)
開花期の前後に地上部を刈取って陰乾しにする。
(利用)
畳表、ござ、寝ござ、枕側、うちわ、手さげ、夏の帽子など範囲は広い。
皮を割くと白い髄(芯)がとれる。
油の吸収がよいので灯心、ローソクの芯などに利用される。
(生薬名)
灯心草として脚気、利尿、催眠、解熱によいという。
【 草 枕 】
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【陶枕(せともの枕・ちゃわん枕)その2】
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【陶枕・ガラス枕その3 物入れ兼用】
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【指圧兼用】
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【ガラス枕(ガラス香枕)】
日本でのガラスの枕は数が少ない。
世界的に有名なのは、ツタンカーメンの美しい青緑色のガラス製枕である。
「中国文化のルーツ(下)」(郭伯南考、東京美術、人民中国雑誌社共同編集、東京美術、平成2年)には「唐の蘇顎(そがく)の 『杜陽雑編』に唐の元和八年に古代ローマ帝国から重明枕が献上されたが水晶のようで中に建物や人物があって生きているようである」とあるが、たぶん内側に絵を画いてあるガラスの枕であろうとしている。
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