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白崎枕コレクション1,000余点に古書・博物館などの枕を加えて写真紹介

第8回 枕の生薬・香料

【枕の生薬】

草木を薬とすることは紀元前から現代まで、洋の東西を問わず多くの人々によって研究され、広く利用されている。

これまでの生薬の有効成分の解明や新しい生薬の発掘など近代の自然薬指向もあって生薬についての一般の人々の関心も深い。

日本の生薬は古くから中国の影響を多く受けているし、生薬枕についても同様である。

代表的なものでは次のようなものがある。

 

1.菊花(キク科、別名 甘菊、料理菊、アキノハナ、イナデグサ、クサノアルジなど)

昔から使われている薬草枕の代表格で、平安時代に中国から伝来した頃からともいう。

秋に花を採取、乾燥後詰め物として菊枕が作られた。

花にはやや甘苦い味と強い香りがあり、消炎、解熱作用があるので、発熱、頭痛、目の充血、のどの痛みによく、強肝、利尿、抗菌、降圧作用があるという。

菊の種類によっての効能の言伝えもある。

白菊花(甘菊花):肝臓の働きをよくし、目の充血、日の痛みをやわらげる効果が強い。

白菊花(除菊花):鎮痛、鎮静作用が強い。

黄菊花(抗菊花):解熱、鎮痛、目の充血、目の病みをやわげる効果が強い。

野菊花:解熱、解毒によく、消炎、化膿の抑制、抗菌作用がある。

 

2.ショウブ(サトイモ科、別名 白菖、水菖蒲、泥菖、アヤメグサ、オニセキショウ、生薬名 ショウブ根)

ショウブ根は根茎を健胃剤として使われていたが、悪心嘔吐の副作用があって、現在では内服用には使われていない。

浴用の場合は根茎葉とも血行促進、健胃作舟がある。西洋古代の香料にも菖蒲香があって香りと薬効が知られている。

中国では薬枕として前漢の武帝(前141~前87年在位)の頃からあるといわれている。

「香りによって病を治す」ことを基本としている。

 

3.その他古代から枕に使われている代表的な生薬では

(1)辛 夷(しんい)(神農本草経)

日本名はモクレン(モクレン科)。

生薬名は辛夷で花蕾を採取、乾燥して詰め物とする。芳香薬として頭痛、脳病、鼻疾によいとしている。

(2)佩 蘭(本草再新)

日本名はフジバカマ(キク科)、多年草で全学に芳香がある。

生薬名は蘭草、全学を使用、利尿、通経、解熱、鎮痛、黄疸等に民間薬として使われていた。

(3)甘 松-(本草綱目)【別名 香松(中薬志)]

甘松香(開宝本草)、寛葉甘松、オミナエシ科、強い芳香がある。

甘松香は中国西南部の高地草原に自生、寛葉甘松はチベット高山草原に自生、鎮静、鎮痛、脾臓の働きをよくし、健胃作用があるので、胃痛、頭痛、ヒステリーによいとしている。

(4)明代の薬学書「本草綱目」には”豆を枕にすると、不眠が治る”とあり、また唐の詩僧斉心も豆枕の効果をうたい、豆枕も緑豆、小豆、黒豆などではそれぞれ薬効にも違いがあるとしている。

(5)油柑葉(別名 集葉、余甘子葉)(トウダイグサ科)

産地は中国の四川、広東、広西、貴州、雲南などで、秋に採集、乾燥して枕の詰め物とする。味は甘酸で、薬効は皮膚湿疹、庁瘡によく、殺菌作用があるとされている。

(6)中国では昔、枕の中に葉となる詰め物をして、けがの時などこの中から取り出して使用した。

琥拍(切り傷、止血に使用)、荊芥(止血、消疹、かゆみ止に使用)、香蒲(ガマ草の雄花粉で止血、消毒作用がある)などがあり、これらは江戸時代日本でも使用された。

(7)精油成分を利用したものは多い。

○莪逑(ガジュツ)(別名シロウコン、ウスグロ)ショウガ科、芳香性健胃作用

○蒼朮(ソウジュツ)キク科、ホソバオケラ、又はその変種の根茎、鎮静、殺菌、カゼ予防作用

○縮砂(シュクシヤ)ショウガ科、さつ果を使用、芳香性、健胃、整腸作用

○益智(ヤクチ)ショウガ科、中国南部に分布、多年生草本、さつ果を使用、芳香性健胃作用

○小豆蒄(ショウズク)ショウガ科、種子を使用、芳香性健胃作用

○橙皮(トウヒ)ミカン科(ダイダイの成熟した果皮)、陳皮

(チンピ)ミカン科、(ウンシュウミカンその他の近縁種の果皮)、茴香(ウイキョウ)セリ科など、芳香性健胃、鎮咳、カゼ予防作用がある。

(8)一般の詰め物にしてもそれぞれ生薬としての効果が期待されているものが多い。ハーブ類についても同様である。

ハーブ類については香枕で記述。

唐「玄宗訓子図」の部分・草枕

出典:「中国文花ルーツ(下)」、郭伯南他著、
東京美術、人民中国雑誌社共編

辛 夷

ショウブ

研 究 室 栽 培


【香料その1】

人の生活と香との関係は古くて深い。

1960年にイラク北部のトルコとの国境近くで発見されたネアンデルタール人の化石骨のまわりで8種類の花粉が見つかっており、これは6万年以前に死者に花を手向けた時のものといわれている。

当時の人が美しさと香りの防腐殺菌作用を利用したものと思われる。

古代エジプトの時代の眠りを誘う香りの処方が、今、なお、参考処方とされている。

日本ではいつの時代からか不明だが、桃山時代には既に利用されている。

香りは揮発性物質が鼻腔の天井部分にある200万個ともいわれている嗅細胞を刺激した時に感ずる。古来から鼻腔はかりでなく呼吸器、皮膚を通して香気成分の薬効や、快い香りを利用してきた。

1.香

用途によって以下の種類がある。

香 木:白檀、沈香類の香木を刻んで使用。一般に良質の香木が使用される。

線 香:香りを長く持たせるために、香材タブノキ(クスノキ科)の皮などをつなぎ材として練り、棒状、渦巻状にしたもので種類が多い。

ねり香:香木や香料を粉末にして、これに炭の粉や蜂蜜等を混ぜ練り固めたもの。

塗 香:香木や香料を粉末にしたもの。長時間の芳香剤として塗布。

焼 香:香木、香料を細かく刻んで混合したもので材料の種類、配合によって多くの種類がある。

匂 香:白檀、沈香、竜脳、薬草顆を刻んだもの。

 

2.沈 香(別名 沈水香、沈水、伽羅)

 熱帯雨林の主にアキラリア属やコツスチラ属などの常緑樹にできる樹脂、水より重いので沈水の名がある。樹脂が少ないと 木は水に浮くので浅香と呼ばれ価値は下がる。

(産地)インド、ミャンマー、ベトナム、タイ、マレー半島、ジャワ、スマトラ、中国南部など。

(成分)樹脂40~50%、樹脂にはベンゾールアセトン、高級テルペン、アルコール、その他がある。

(香り)高貴な甘い香り、沈丁花(チンチョウゲ科)の甘い香りは沈香と丁字の混じった香りなのでこの名がある。

(薬効)昔は媚薬として使用され、薫香料としては鎮静、鎮痛、強心作用があるとされた。

 

3.安息香(別名 べイソン)(エゴノキ科)

 樹脂に傷をつけて分泌した樹脂を採取する。分泌液は乳白色だが、空気中に放置されて赤褐色の塊状となる。

(産地)タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム

(成分)樹脂70~80%、樹脂成分は安息香酸、桂皮酸、桂皮アルデヒド、バニリン、安息香酸べンジル(エステル)ほか。但し産地によって主成分に差がある。

(香り)バニラの甘い香り。

(薬効)香料、鎮静、鎮痛、消毒、利尿作用。

 

4.白 檀(別名 センダン、サンダルウッド)(ビャクダン科)

香料としては幹と根が珍重される。心材には香気が多い。

(産地)インド南部、インドネシアのチモール島、太平洋諸島、ニュージランドなど。

(成分)樹脂3~4.5%の精油、精油成分はサンタノール(90%)ボルネオール、イソヴァレルアルデヒド、サンタレン、サンタルオール、その他。

(香り)幽艶な香りで持続性がある。

(薬効)香料、鎮静、消炎、利尿、強壮、消毒作用。

 

5.木 香

青木香:ウマノスズクサ(ウマノスズクサ科、別名 馬の鈴草)

川木香:キク科植物の根

土木香:キク科植物の根

唐木香:モッコウバラの根

(産地)インドヒマラヤ地方、中国など。

(成分)根からとった精油に芳香性がある。

(香り)スミレ、アイリスに似た香り。

(薬効)香料、健胃、防虫、消毒作用。

 

6.麝 香(ムスク)

 磨香鹿(シカ科)の雄の生殖腺からの分泌物。

(産地)ヒマラヤ、シベリア、中央アジア、チベット、アッサム、サハリン、朝鮮半島。

(成分)香木成分ムスコン。

(香り)官能的な香り。

(薬効)覚醒剤、媚薬として昔は使われたが実効は不明。

 

7.霊猫香(シベット)

 麝香猫(ジャコウネコ科)の雌雄とも肛門近くにある分泌腺からの分泌物シベットを採取する。

(香り)麝香に似た香り。

(薬効)使用例少なく実効は不明。

 

8.竜涎香(アンバーグリース)

 抹香鯨(マッコウクジラ科)の腸内にできる病的な結石。

(産地)抹香鯨の生息地帯は、北緯50度、南緯50度との間の暖流域。

(成分)アンプレイン、オキサイド、オキシアルデヒド、ケトン他。

(香り)官能的な香り。

 

9.麝香鼠(ムスクジバタ)

 北アメリカの沼沢地に住む麝香鼠の腺嚢にある脂肪性の液状物。

(香り)ムスク、シベットに似ている。

 

10.海狸香(カストリウム)

 ビーバーの雌、雄の生殖器にあるポッドとその分泌物。

 

11.貝 香(バイ貝の一種)

 中国南海、紅海にいる巻貝のふたからとる香料で主に保香剤として使われる。

 

12.アスナロ(別名 ヒバ、アスヒ、シロビ、アスハノキ、ヒノキアスナロ、ヒノキ科の常緑樹)

(成分)0.5~0.7%の精油中、セスキテルペン(ツヨブセン)67%、セスキテルペンアルコール24%ほか

(薬効)香り、防菌、防黴、防虫作用

 

13.ヒノキ(ヒノキ科の常緑樹)

(産地)本州各地。

(成分)精油1.0%、精油中ガジネン、・βーピネン、ガジノール、ヒノキオールほか

(薬効)香料、防菌、防黴、防虫作用。

 

14.スギ(スギ科の常緑樹)

(産地)本州各地。

(成分)βーオイデスモール、カジネン、αーピネン、ジペテン、スギオールほか

(薬効)香料、防菌、防黴、防虫作用。

 

15.アカマツ(マツ科、別名 メマツ)

(産地)日本各地。

(成分)α-ピネン、β-ピネン、ジペテン、カンファー、カジネンほか

(薬効)香料、防菌、防黴、防虫作用。

 

16.香 草(ハーブ)

 香りの作用は種類や濃淡、作用時間などで個人差があり、時には逆な現象があったりするが睡眠環境改善のためにも、これからの研究に期待されることが多い。それぞれのハーブには特徴ある香りがあるが、薬効について大別すると次のとおり。

(1)催眠作用のあるもの

 ラベンダー、カモミール、レモン。

(2)鎮静作用(興奮を鎮める作用)

 安息香(ベイゾイン)、イランイラン、レモン、オレンジ、カモミール、クラリセージ、サンダルウッド(ビャクダン)、シダーウッド、デイル、乳香、ネロリ、バラ、ベルガモット、ラベンダー、ローズマリー、ペパーミント、バジル、ジャスミン、ナツメブ、シナモンなど

(3)鎮痛作用(痛みを和らげる作用)

 カモミール、ジンジャー、バジル、マージョラム、ラベンダー、オレンジ、レモン、ベルガモット、ローズマリー、ペパーミントなど

(4)抗うつ作用(気分を明るく高める作用)

 ゼラニウム、ネロリ、バジル、ベルガモツト、ジャスミン、など

(5)強肝作用(肝臓と胆のうの機能をよくする作用)

  カモミール、セージ、バラ、ペパーミント、ローズマリー、菊花。

(6)解熱作用

 カモミール、ジンジャー、バジル、ベルガモットなど

(7)強壮作用(体の機能をよくする作用)

 カモミール、ガーリック、クライセージ、ジンジャー、セージ、ゼラニウム、タイム、ネロリ、バジル、バラ、ベルガモット、マージョラム、メリッサ、レモングラス、ローズマリー、ローレルなど

(8)消毒作用(感染防止をする作用)

 イランイラン、カモミール、キャラウエー、クラリセージ、シナモン、ジャスミン、ジンジャー、ラベンダー、セージ、ゼラニウム、タイム、ネロリ、バジル、バラ、ペバーミント、ベルガモット、マージョラム、ヤロウ、レモングラス、ローズマリー、ローレルなど

 その他強心、強脾、血圧降下、血圧上昇、唾液分泌、鎮咳等の作用のある精油成分についての研究報がある。

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